【レポート(一日目)】子どもプログラム2024『アーティストと過ごす2日間 〜「チームやめよう」になる!〜』
11月30日、12月1日に子どもプログラム2024『アーティストと過ごす2日間 〜「チームやめよう」になる!〜』が開催されました。
今回は、「チームやめよう」から黒田大スケさんを講師としてお招きしました。不可思議で濃密なWSの様子をスタッフの小堀がリポートします!
>>参考ウエブサイト(プログラム情報、参加者募集チラシ画像)
1日目は「チームやめよう」が実際に作品を制作する際の初期段階「やめよう会議」、2日目は「知ったかぶりをやめよう」をテーマに北海道の空知で採掘された石炭になりきり、札幌駅から小樽駅まで運ばれることで石炭について「知ろう」と試みました。
まずは、黒田さんが「やめたくてもやめられないこと」を出発点に作品制作を行う意図についてお話しいただきました。
個々人の生活の中のやめられないことから、社会問題にかかわる大きなものまで「やめられないこと」はこの世にあふれています。チームやめようではこれまで、違法駐輪やお金、騒音など一般的に良くないものと言われがちなものの「良くない性」に仕掛けを与え、問題に対する「捉えなおし」を試みるような作品を制作しています。例えば「騒音やめよう」では、原爆ドームや厳島神社の映像が周囲の環境音のような音とともに投影されますが、近づいてみると、その映像の中に別のディスプレイが置かれ、そこでは、作家がジュースをストローで飲んだり、黒板をひっかいたりなど、一般的には不快とされる音が発せられる行為が行われています。つまり、周辺の環境音だと思っていた音は、作家が発する騒音だったのです。騒音という概念自体に対し”ずれ”を作り出すことで、問題に対する再考を促します。
次に、みんなで「やめたくてもやめられないこと」について各自で考え、発表しました。
なんと合計52個ものやめられないことが出そろいました。
子どもたちの切実な「やめられないこと」は、僕が大人になるにつれて目をふさぎ向き合うことを避けてきたいろんな物事を思い出させ、少しだけ胸が苦しくなりました…
さて、ここから”水” ”圧” ”石”の3チームに分かれ、やめたくてもやめられないことを協議します。
参加申込13名のところ、発熱や体調不良で当日の朝に参加を断念した人が4名いました。冬の初めのこの時期は、インフルエンザとかいろいろ学校で流行っていて体調管理が難しいですね。少なくなった参加人数をフォローすべく、スタッフが3つのグループにひとりづつ入りました。
チーム水は「医者の話を無視やめよう」「完璧やめよう」、チーム圧は「食べ過ぎやめよう」「運動不足やめよう」、チーム石は「箸で豆が取れない時イライラするのやめよう」「失くし物やめよう」をテーマに考えました。
全部面白いので、是非目を通してください!!
僕が参加したチーム水では、「医者の話を無視やめよう」「完璧やめよう」という別々のテーマが最終的にはアニメのキャラクターの話に行きつくという、驚きの展開。飛躍したようにも思えますが、子どもたちの話し合いは明確に順序があり、筋の通った脱線でした。
こうして、「チームやめよう」の作品制作プロセスの初期段階を体験しましたが、どの案も「やめられないこと」にずれを作り出し、おもしろい作品に昇華していきそうなものばかりです。
そして、2日目の『知ったかぶりやめよう』(石炭を演じる)の準備として、みなさんに石炭を渡しました。それぞれが、気に入ったもの、気になるやつを選ぶのですが、黒田さんからは、「自分に似た石炭を選んで」という謎の指示?アドバイスがありました。
最後に夕張を拠点として活動する一般社団法人清水沢プロジェクトの佐藤 真奈美先生((=石炭先生)から北海道の炭鉱の歴史を学びます。
石炭先生は、以前、JR夕張駅から室蘭駅まで石炭になって運ばれてみたことがあるのだそうです!さすがです、石炭先生!
良いことも悪いこともたくさん詰め込まれている、濃密な石炭の歴史にみなさん興味津々。
2日目の石炭になるための準備は万端!!
小堀
>>いよいよ二日目に続く!
【レポート(二日目)】子どもプログラム2024『アーティストと過ごす2日間 〜「チームやめよう」になる!〜』