【レポート】オープンスタジオ/OPEN STUDIO vol.1

EventReport 2025年5月11日

5月4日、今年度からの初の試みである「オープンスタジオ/OPEN STUDIO」が開催されました。

オープンスタジオについての詳しい情報はこちら:https://tenjinyamastudio.jp/2025openstudio.html

 

天神山緑地の桜の満開時期と重なったこともあり、多くの来館者の皆様にお越しいただきました!!

今回の「オープンスタジオ/OPEN STUDIO」では、4組のの滞在アーティストによる展示・パフォーマンスと3つのトークが行われるという盛りだくさんの内容。

 

⓪スタジオツアー

 

普段は見ることのできない二階の滞在スペースをオープンスタジオでは特別にツアー形式で公開!!滞在アーティストのフローさんは、Aスタジオにて制作を行っていますが、所せましと画材があり、通路にまで溢れています。

 

創作過程の作品にはギャラリーにある作品とはまた違ったおもしろさがありますね。

 

 

①ナワレス&カムイ: 高地の魂 / NAWAL-KAMUY _ ルー・ガルサ / Lou Garza(美術 工芸 総合芸術)

5月11日まで開催しております、展覧会「ナワレス&カムイ: 高地の魂 / NAWAL-KAMUY」のギャラリートークを滞在アーティストのルー・ガルザさんが行いました。

 

ルーさんは、セファルディック、ヨーロッパ、中東をルーツに持ち、アメリカ大陸とヨーロッパで育ったことに加え、文化人類学者として多くの地域の文化に触れてきました。

 

北海道の民族”アイヌ”とメキシコ南部の民族”ツェルタル族”という地理的に離れた2つの民族に着目し、その文化的な共通点から、人種的な違いを超えた本質的な「つながり」を表現します。

 

アメリカの祖先はアジアの遊牧民でもあり、2つの民族にはDNA上のつながりが存在することに驚愕!!

 

それが、2つの民族の動物信仰や土地信仰などの共通の文化として顕在化していると考えるとなんだが不思議ですね。

 

 

 

 

②・ Writer _ ピーター・オロース/Peter Oroszby (文芸)

2017年と2024年に鹿児島から北海道まで徒歩の旅を行った、滞在アーティストのピーターさんがその旅での経験をお話しくださいました。

 

計9000㎞の旅、考えただけでも気がめいってしまいます。

 

鹿児島をスタートするときに気合忠魂のため坊主に剃ったそうですが、ゴールする頃にはロングヘアーに。

 

道中では足の痛みなどトラブルもありながらも、なんとか歩き切ったピーターさんですが、なぜこの旅をしようとしたのかは自身でもよくわからないそうです。

 

旅の中で、ピーターさんと同じように徒歩での日本横断中の日本人に会うこともあったそうです。珍しがられよく声をかけられる外国人の自分に比べ、日本人として日本を歩くこと方が声をかけられることも少ない分しんどいであろう、とピーターさんは言います。しかし、僕が外国の地を横断することを想像すると孤独感からくる不安ですぐに挫折してしまいそう。。。

 

ピーターさんはこの旅の経験を本にしようと準備を進めています。

 

そして!!前回の四国横断のに作った本が6月4日まで見ることが出来ます!!施設内のバトキカイにて購入することが出来ます!!

 

是非見に来てください!!

 

③MADZINE×明夜 パフォーマンス

さっぽろ天神山アートスタジオ常連のMADZINEさん。サウンドアーティストとしての肩書では収まり切れないほどにその活動は多岐にわたります。これまでも、同時期に滞在するアーティストとコラボレーションを行い様々な実験的な取り組みを行っています。

 

そして、札幌のイベントに参加した際に出会い、昨年度からタッグを組んで活動を行っているのが、札幌を活動拠点とする舞踏家明夜さん!!

 

パフォーマンスでは、明夜さんの作品を幕に投影し、MADZINEさんが音楽を演奏、その幕の前後で明夜さんが舞踏を行います。

僕自身初めて、舞踏を鑑賞しましたが、物凄い緊張感と迫力に衝撃!!明夜さんとMADZINEさんが作り出す世界観に完全に飲み込まれてしまいました。

一連のパフォーマンスは、江戸時代の民族伝承に登場する「虚舟」からインスピレーションを得たそうですが、その忠実性や再現性にはあえてこだわりを持たず、各要素をパッチワーク的に組み合わせることで、「ズレ」を作り出し鑑賞の余白を残すことを意識したとのこと。

MADZINE×明夜さんの滞在はすでに終わっしまいましたが、今年度中の札幌市内での展示を画策中とのこと。情報のチェックをお忘れなく!!

 

④明夜×西村つむぎ ”ダンサー談義”

パフォーマンス後、舞踏家の明夜さんと元バーレスクダンサーの西村さんによるトークを開催。

同じ身体表現でもアプローチの矛先が、舞踏は自分の中に入り込んでいくのに対してショーパフォーマンスはお客さんに向いています。 

ショーパフォーマンスではお客さんの層や場所によって即興的な振る舞いに影響するそうです。舞踏では、内向きな精神の体現であることから、その即興性はその瞬間の自己の反映として表出します。

似ているようで全然違いながらも、やっぱり似ているような。。。もっと話を聞いていたかった!!

 

 

⑤制作中の作品の展示 by Florent Bonzon/フロラン ボンゾン (美術)

現在、テラス計画での展覧会に向けて準備を進めるフロランさん。作品の一部を公開していただきました。

情報は近日公開予定!!こちらも情報のチェックをお忘れなく!!

 

④展示『雪虫』 by Karen Suzuki 

5月13日にさっぽろ天神山アートスタジオで展覧会を開催するKaren Suzukiさんが作品の一部を公開してくれました。

展覧会の情報はこちら

https://tenjinyamastudio.jp/event/ex_karensuzuki2025

5月13日のみの開催です!!是非、お越しください!!

 

 

 

以上のように、盛りだくさんの一日でした!!次回は6月22日の開催予定!!

次はアーティストはどんなことをするのか!?楽しみ~~。

 

小堀