選考結果リポート_同時期滞在日本AIRプログラム

News 2021年7月21日

選考のためのミーティング・リポート
★応募件数:16件

選考会メンバー:4名/組

 アートラボ北舟(アートユニット)

 富田俊明(美術家)

 中村絵美(アーティスト)

 小田井真美(さっぽろ天神山アートスタジオ AIRディレクター、AIR事業設計)

 *選考会メンバー・プロフィールはこちら

★総評:

今回の公募プログラム選考にあたり、応募要項で示している「北海道・札幌との関わりがあるかどうか」を前提として、「相性 / さっぽろ天神山アートスタジオと選考メンバーおよび道内のアーティストサポートをする団体や個人などと応募されたアーティスト・計画された活動(プロジェクト、作品制作、リサーチ)との組み合わせが面白いかどうか、発展的かどうか」、「必然性 / いまレジデンスのチャンスが必要で、今後のアーティストの展開に役立てるかどうか」、「自律性 / このアーティストが北海道に滞在し、活動をするときに心と体を強く保てるかどうか(自力でがんばれそうか、オーガナイザーに依存しなさそうか)」、「時代性・視点の先見性 / アーティストから提案されている、アーティストの興味と関心が「いま」であるかどうか(切実さ、ぐっとくるかどうか)」の4つのポイントをさっぽろ天神山アートスタジオが公募選考にあたって採用する視点を小田井からメンバーに伝えました。この4つのポイントを叩き台にして、道内を拠点に活動するアーティストで構成されたメンバーそれぞれの視点を付け加えながら意見交換、検討を重ねました。

アーティストで構成されたメンバーならではの多面的な意見交換の中で、メンバーのひとりから「創作する喜び」というはっと我に帰るような、いまだからこそ軸におくべき視座を提案されました。リサーチを軸におく制作活動を行うメンバーは、応募したアーティストのリサーチの深度や活動・プロジェクト・作品への解像度の高さを応募書類から推し量ろうと心と思考を砕きました。今回の公募は、選考過程で応募したアーティストとメンバーが直接的なコミュニケーションをもたない書類審査形式ではありますが、応募されたアーティストの活動提案、応募されたアーティストのモチベーションを一つ一つ確認しながら、応募というアーティストからのアクションを北海道を拠点とする我々への手紙、また投げかけられる問いとして受け止めました。レジデンスが、主催者から一方的にアーティストへ時間と場所と機会をさずけるようなタイプのレジデンスではなく、アーティストの提案に対し、サポートという労働を誠実に提供するというだけでもなく、アーティストを迎える我々もまたアーティストのプロジェクトに加わったと実感できる、協働しがいのある北海道ならではのレジデンスにしたいと考えました。選考のためのミーティングの意見交換の途中で、私自身は、いまこの時代だからこそ、アーティストを迎えてレジデンスをやるということはどういうことなのだろうか、「レジデンスをする(=生きる、生活する営み)喜び」についても考えることになったのです。2回のミーティングを経て、応募の段階ですでに計画が完成していると見受けられるものよりも、我々とのコミュニケーションが開かれている、実際のプログラム参加を通じて、予想外の(計画外の)展開になりそうな柔軟なもの、さらに深いコミュニケーションが生まれる可能性がより高い内容に惹かれていきました。このレジデンスは、招聘されるアーティストが個々にプロジェクトをすすめていくものですが、同時期にプログラムに参加する他のアーティストとのフェローシップを築く機会でもあります。このチャンスを生かし切れるかどうかもクライテリアとしました。

応募くださったおひとりおひとりの当プログラムに対する期待の大きさ、おひとりおひとりのモチベーションの高さ、真摯さ、取り組もうとするプロジェクトへの思いの強さに対峙して、この時代を生きようとするアーティストの存在が、期待や、関心が落ち着かない日常をおくる私たちさっぽろ天神山アートスタジオの励みになりました。心から感謝申し上げます。

選考メンバーのひとりとして、

さっぽろ天神山アートスタジオ AIRディレクター小田井真美

 

★招聘するアーティストと計画されたプロジェクトについて

*アーティストの名前をクリックすると情報ページにいきます。

井上 修志

 

大﨑 土夢

■ 事業クレジット

事業名:人間万事塞翁が馬/Every cloud has a silver lining

主催:一般社団法人AISプランニング/さっぽろ天神山アートスタジオ

支援:文化庁(令和3年度 アーティスト・イン・レジデンス活動支援を通じた国際文化交流促進事業)

企画:小田井真美(さっぽろ天神山アートスタジオAIRディレクター、アートとリサーチセンター)