【3/2-6 パフォーマンス実演/ 滞在アーティスト紹介】Yu Zhang/ユー・チャン_Back to the Futureプロジェクト
滞在アーティストのYu Zhang/ユー・チャンの滞在中に計画しているプロジェクトを紹介します。

廃棄物管理や環境破壊といった地球規模の課題に向き合うため、滞在アーティストのYu Zhang/ユー・チャンは2022年より、廃棄物をテーマにした長期的なリサーチと制作を続けてきました。自身の日常生活で出る廃棄物を記録するプロジェクトや、参加者が食べ物や消費にまつわる廃棄物を共有するオンラインプラットフォームを通して、人々の廃棄行動が、政策やインフラ、地域性、文化的背景によって大きく左右されていることを明らかにしてきました。また、AIを用いた廃棄物予測の可能性にも取り組み、テクノロジーと人間の関係についても探究しています。
天神山アートスタジオでの3か月間の滞在制作プロジェクト「Back to the Future」は、こうしたリサーチをもとに、持続可能な未来について考えるための新たな視点や対話を生み出すことを目的としています。本プロジェクトは、「ナラティブ・エンバイロメント」「インクルーシブ・フューチャーズ」「レゾナント・エクスペリエンス」「エマージェント・パターンズ」という4つのテーマを軸に展開されます。それぞれのテーマでは、人とテクノロジー、社会、環境の関係を異なる角度から見つめ直します。
プロジェクトでは、それぞれ参加型ワークショップとアーティスト自身の制作活動を組み合わせた方法をとります。ワークショップでは、参加者が身近な体験や考えを共有しながら、環境や廃棄物との関わりについて考えます。一方で、そこで生まれた気づきやアイデアは、アーティストの制作にも反映され、作品として展開されていきます。こうした往復のプロセスを通して、個人の視点と社会的な課題をつなげることを目指しています。
「Back to the Future」が扱うのは、遠い未来の空想ではなく、今の延長線上にある「近い未来」です。ケアや共感、相互の配慮を大切にしながら、私たちの現在の行動がこれからの環境や社会にどのような影響を与えるのかを、参加者や鑑賞者とともに考えていきます。
滞在期間中は、各テーマごとに4回の公開ワークショップを実施するとともに、インスタレーションや映像作品、インタラクティブな作品の制作が進められます。最終的には、4月ごろにワークショップと制作の成果を紹介する展覧会が開催される予定です。
次回開催予定!
Back to the Future #3: 明日はもっと果てしない

本作は、駒ヶ丘リサイクルセンターで働く皆さんに捧げます。
数週間前、私はリサイクルセンターを訪れ、そこで目にした光景に深く心を動かされました。集中をともなう反復作業、厳格な時間割、気を散らす余地のほとんどない規律——
その体験は、私の中に残り続けています。
その経験への応答として、私はセンターの日課をなぞるような、5日間のパフォーマンスと撮影を行っています。3月2日〜6日(月〜金)の5日間、8:45から17:00まで、50分の作業と10分の休憩を繰り返し、12:00〜13:00は昼休憩とする——リサイクルセンターで実践されている構造と同じリズムで過ごします。
この時間の中で私が行うのは、自分の日々の廃棄物を「リサイクル」してアート作品へと変えていくことです。素材を扱い、仕分けし、変形させ、ゆっくりと集中したプロセスで素材と向き合い続けます。
本パフォーマンスは、労働を再現したり代弁したりするものではありません。むしろ、そのリズムを身体で引き受ける試みです。構造としての時間、方法としての反復、そして省察としての疲労。
過去開催ワークショップ↓
Back to the Future #1 — ひとつのごみ、ひとつの物語

この最初のワークショップ 「ひとつのごみ、ひとつの物語」 では、みんなで一つのシンプルな問いを考えます。
「物はいつ“ごみ”になるの? そして、その瞬間は何によって決まるの?」
このワークショップでは、参加者それぞれが ひとつだけ「ごみ」(またはその写真)を持ってきます。
約1時間の中で、そのごみを中心にした短い 「Waste Zine」 を作ります。
たとえば、
- 触った感じ(感触や音)
- 「ごみになった瞬間」はいつだったか
- どこが一番むずかしかったか(分別ルール・デザイン・環境など)
を記録し、最後にやさしい雰囲気で、テーブルを囲んで少し共有します。
目的は、ひとりの体験を持ち寄って、日常のごみ体験を小さな“地図”のように一緒に描くことです。
- 日時:2026年1月25日 午後(時間は後日お知らせします)
- 所要時間: 60〜75分
- 定員: 約15名
- 持ち物: 清潔な状態のごみ1つ(例:包装、ペットボトル、缶、紙など)またはその写真
- プライバシー: 共有は自由です。話したくない場合は話さなくてOKです。個人情報は公開しなくて大丈夫です。
- 参加無料
Back to the Future #2 — 廃棄物の音

第1回のワークショップでは、個人的な物語を通して「いつ」「なぜ」私たちは物を捨てるのかを探りました。第2回となる今回は、物語から感覚へと焦点を移し、捨てられた物の“感覚的な来世”に目を向けます。あらゆる廃棄物には固有の音があります。プラスチックのパリッとした音、ガラスの澄んだ響き、段ボールの空洞のような鈍い音——それらは私たちの手を離れた瞬間から、ほとんど意識されることがありません。
「The Sound of Waste」は、私たちが手放す物の物理的な特性と再びつながることを目的とした、インタラクティブなリスニング・セッションです。参加者は複数の触覚パッドに触れながら体験します。表面に触れ、働きかけることで、さまざまな廃棄素材の隠れた「声」が聞こえてきます。触れ、試しながら、私たちは注意深く耳を澄ませ、それぞれの音がどの素材や物体に由来するのかを推測します。
この“ブラインド・リスニング”の実践を通して、私たちの知覚に問いを投げかけます。音だけで物を特定することはできるでしょうか?最後に、それぞれの「組み合わせ(マッチング)」を共有し、素材の音が私たちとそれらとの関係性をどのように変化させるのかを話し合います。
・日時:2026年2月22日 午後(時間は後日お知らせします)
・所要時間:45〜60分
・定員:15名
・使用言語:英語
・持ち物:耳と好奇心(必要な素材はすべてこちらで用意します)
・プライバシー:感覚的な探究のための安心できる場です。推測や感想の共有は完全に任意です。