オープンスタジオ/OPEN STUDIO vol.8 天神山の雪解け編

EventReport 2026年2月28日

2/22(日)OPEN STUDIO vol.8 雪解け編が行われました。

 

その様子をお伝えします!!

 

⓪アート&ブレックファストデイ

今回は、スイーツスペシャル!!🍰
パンケーキに手作りジャム、和菓子など、たくさんの甘いものが机を彩りました。

今回お話ししてくれたのは、札幌を拠点に活動する Ian M さんです。Ian Mさんは滞在者ではありませんが、滞在アーティストの Demon Inktales さんが札幌の美術イベントで偶然出会い、ご紹介してくださいました。

Ian Mさんは「日常」をテーマに、多くの漫画やZINEを制作してきました。

日本に住む外国人という自身の立場を河童に重ね合わせた『かっぱかれー』や、日本の空想の島について描いた『北島』など、どの作品も着眼点がユニークで、単なる「外国人視点の日本」という枠にとどまらない独自の視点で描かれています。
外国人によって描かれた“日本”という架空の物語を日本人が読む——その複雑で交差する関係性がとてもおもしろいです。

Ian Mさんは漫画を1冊、さっぽろ天神山アートスタジオに寄贈してくださいました。
1階アート&リサーチセンターに配架しております。ぜひご覧ください!

Ian Mさんは札幌各地のイベントにも出展されています。情報のチェックをお見逃しなく!
Instagram:
https://www.instagram.com/squarecomix/

札幌で活動するアーティストと滞在者とのあいだに交流が生まれることを、とても嬉しく思います。

トークを行ってくださったIan Mさん、本当にありがとうございました!!

 

ルピタ・レッジャーニ /Lupita Reggianiによるトーク+パフォーマンス

 

先日まで、展覧会を実施していたルピタ・レッジャーニ /Lupita Reggianiがトークとパフォーマンスを行いました。

【2/14-2/18】Exhibition_ルピタ・レッジャーニ/ Reggiani, Lupita_ 『ピルエット/Pirouette』

 

トークは、展示映像にも登場した天神山2階の“あのソファ”の話から始まりました。

誰かが実際に座っているのを見たことがないそのソファ。本来はユーザーであるはずの自分も、なぜかそこに座らない。その関係性を手がかりに、ルピタは、空間・社会・文化・慣習といったさまざまな要素によって規定されている「自分」のあり方を見つめていきます。

誰に言われたわけでもないのに、「これはこういうものだ」「ここではこうあるべきだ」と無意識に感じてしまう力。その見えない誘引が、空間の中に潜んでいるはずの多様な可能性を抑圧してしまう。ルピタはそれを「相互作用のシステム」と呼びます。

そして、その誘引をどうすれば打ち破れるのか。
いかにして、潜在的に存在している予測不可能な空間を立ち上げることができるのか。

その鍵となるのが、「物語」かもしれない——そう語って、トークは締めくくられます。


ここからパフォーマンスによる物語が始まります。

二階で休憩しているとなにやらカチカチと音が聞こえてきます。周りを見ても誰もいません。

それでも鳴りやまない音、目を凝らしてよく見ると展示の映像で使われたソファの上に骸骨がいました。

その骸骨と少し話をしますが、すこしちぐはぐな感じ、上手く状況をつかめないままに話は進んて行きます。

そして、骸骨の踊りと宇阿多が始まります。

このとき、歌っているのは骸骨なのか、主人公なのか、それともルピタ自身なのか、もはや判別がつかなくなっています。

最後に「なんてすばらしい世界だろう」と感動しているのは、いったい誰だったのか。

骸骨だったのか。ルピタだったのか。

けれど、誰であったとしても確かなことがあります。
「物語」の介入によって、それまで固定されていたソファとルピタの関係性に確かな“ずれ”が生まれたこと。たしかに座りの悪いソファだったとしても、

その座りの悪さが抑圧された可能性を開放させるための入口なのかもしれません。

 

デーモンインクテイルズ/Damon Inktales 『イラストを使ったステッカーつくり』WS 

『イラストを使ったステッカーつくり』ワークショップ

前回大好評だった「イラストを使ったステッカー作りワークショップ」が、今回さらにパワーアップして開催されました!

デザインのバリエーションも増え、初めて参加する方も、2回目の参加となる方も、それぞれに楽しめる内容に。参加者のみなさんは思い思いにステッカーを制作し、その場でお気に入りの場所に貼る人もいれば、「貼るのがもったいない!」と大切に持ち帰る人もいました。

小さなステッカーですが、一人ひとりの選択や愛着が表れる、豊かな時間となりました。

デーモンインクテイルズは3月末まで滞在予定です。
今後の活動にもぜひご注目ください!!

 

ユー・チャン/Yu Zhang 『Back to the Future #2 — 廃棄物の音』

1月から廃棄物についてのリサーチとワークショップを重ねているユーさん

、今回は音を聞いてそれが何の素材のゴミかを考えるワークショップを行いました。

プロジェクトの詳細はこちら

【2/22(日)ワークショップ開催!/ 滞在アーティスト紹介】Yu Zhang/ユー・チャン_Back to the Futureプロジェクト

1月から廃棄物についてのリサーチとワークショップを重ねている Yu さん。

今回は、「音」を手がかりに、それがどんな素材のゴミなのかを想像するワークショップを行いました。前回は廃棄物の“物語”に焦点を当てましたが、今回は“感覚”から廃棄物を捉え直します。

参加者は、二枚の紙に触れることで音が鳴るサウンド装置を体験しながら、「これは何の音だろう?」と想像をめぐらせます。カサカサ、パリパリ、ガサッという微細な音が、プラスチックなのか、紙なのか、あるいは別の素材なのか——耳を澄ませることで、普段は意識しない廃棄物の存在が立ち上がってきます。

楽しみながらも、感覚を通して“捨てられた後”の世界に触れる時間となりました。

今回のワークショップの成果も、3月に開催される展覧会に反映される予定です。

どのような展覧会になるのか、とても楽しみですね!

 

 

 

 

キム・ソヨン/Kim, Soyoung 『De-painting Show : 忘却のリズム』

一週間にわたって公開制作を行い、展示壁いっぱいにペインティングを施していた キム・ソヨン、その作品【雪まつり】を、なんと自ら消してしまう——というパフォーマンスを行いました。

まず、消し始める前にキムソヨンから書いた絵へメッセージが送られます。

食事の時間も惜しむように、ひたすら壁に向かい続けていたキムソヨンさんの姿を見てきた私たちにとって、それはとても寂しい時間になるのではないかと思っていました。

しかし実際には、ただ消えていくという出来事以上に、会場はみなさんの温かな笑いに包まれた、やわらかな時間となりました。

消すという行為は終わりではなく、記憶や痕跡を別のかたちに変えること。
その場にいた私たちの中には、確かにあの絵が残り続けています。

次回は3月22日開催!!情報の更新をお見逃しなく!!

小堀