【選考結果速報】日本のアーティスト募集!同時期滞在日本AIRプログラム2021募集要項(6/25締め切りました)

ActivityNews 2021年7月15日

さっぽろ天神山アートスタジオは、今年の同時期滞在日本AIRプログラムに参加する2名のアーティストを発表します。

井上 修志

大﨑 土夢

選考会リポート及び、招聘される2名のアーティストに関する情報(プロフィール、プログラム中に行うプロジェクト計画)など詳細は、7月16日(金)までに、webサイトに投稿します。

ご応募くださった方、情報拡散にご協力くださった方、関心をもってくださった方どうもありがとうございました。

2021年7月11日

さっぽろ天神山アートスタジオ

 

選考会メンバー

アートラボ北舟(アートユニット)

富田俊明(美術家)

中村絵美(アーティスト)

小田井真美(さっぽろ天神山アートスタジオ AIRディレクター、AIR事業設計)

 

*この公募プログラムは、国際公募AIRプログラム(リモートによるオンライン・レジデンシー)と同時期に実施されます。

さっぽろ天神山アートスタジオの公募AIRプログラムの基本的な考え方

◼︎国際公募AIRプログラム変遷と概要

札幌国際芸術祭を契機に、はじめての公的なアーティスト・イン・レジデンス(以下、AIR)拠点として2014年5月に活動を開始したさっぽろ天神山アートスタジオでは、初年度から国際的に活動するビジュアルアーツ分野のアーティストを対象に、活動経費給付型(奨学金型)のアーティスト・イン・レジデンス事業を実施してきました。このAIR事業は、さっぽろ天神山アートスタジオの施設管理を担う一般社団法人AISプランニングと、プログラムディレクターの企画により毎年冬季間に限定してスタートし、3年目から札幌市事業として実施してきました。2021年度は新型コロナ感染拡大予防策として、海外を拠点とするアーティストの来日がない、リモートによるAIR参加の試み(オンライン・レジデンシー)となります。またプログラム開催時期は夏の終わりから秋に変更します。

■ 同時期滞在日本AIRプログラム変遷

2014から2017年度の国際公募では、日本を拠点とするアーティストが招聘アーティストの一角に存在してきました(黒田大スケ、潘逸舟、福永敦、西松秀祐)また、2018年度(平成元年)から文化庁の支援を受け、国際公募AIRプログラムの実施と同時期に日本を拠点とするアーティストを招聘し、そのほか同時期にさっぽろ天神山アートスタジオに自主的に滞在しているアーティストなども加わってポストアカデミー的な、一時的に同じ空間に滞在するアーティスト同士の有意義な関係性が築かれてきました。これまでの同時期滞在日本AIRプログラムに招聘されたアーティスト(南隆雄、黒田大スケ、樅山智子)は、過去にさっぽろ天神山アートスタジオを拠点にリサーチ、制作活動を行なってきた日本拠点のアーティストの中からディレクターが選定しました。公募型AIRプログラム8年目の2021年度は、公募により2名/組のアーティストを同時期滞在日本AIRプログラムに招聘します。

2014-2019年度国際公募AIRプログラム、年次活動記録集PDF

アーティストによるトーク、インタビュー記録動画

 

2021AIRにむけて プロジェクトディレクター 小田井真美

2020、滞在<移動 なかなかたどりつかないけど” (海外拠点のアーティスト:リモートによるオンライン・レジデンシー、日本拠点のアーティスト:オンサイト)

2019-2020にかけて考察し、アーティストの札幌・北海道での滞在体験よりもAIRのために移動する体験や思考の問い直し、フライト以外の手段で「移動し、AIRにいく」ことを、2020-2021の冬季AIRプログラムで試してみようとした(”なかなかたどりつかないけど”)。100/組のアーティストから公募に際して提案された多くの計画やアイデア、リモートで運営されたプログラムに参加したアーティスト[Heejung Choi, Aaron McLaughlin and Barim (Jaeha Ban, Eugene Jun)]、身体的移動が可能だった日本国内のアーティスト[ニュー浴場プロジェクト(永岡大輔、松本力)、潘逸舟]はそれぞれに引き伸ばした時間をかけて札幌にたどり着き(またたどり着こうとし)、アーティスト自身が築いた現地との温かい関係性に迎えられ、政府指定の宿舎で厳密な隔離期間を経て日本から台湾に向かったアーティスト[菅野麻依子]など、状況に対するアーティストの多角的な取り組みとチャレンジのおかげで、新しい思考の入り口にどうにかたどりつくことができた。でもまだ明確ではない。渡航や出入国制限の解かれないパンデミックの状況は続いている。私たちにリモートでのAIR、同じ課題を引き続き思考する時間とチャンスはまだまだ残っている。

Artists and works of AIR program in 2020-2021 winter

Artists and Program Archive

 

2021、そらにおよぐ swimming in AIR(海外拠点のアーティスト:リモートによるオンライン・レジデンシー、日本拠点のアーティスト:オンサイト)

わたしたちは今年もまたいつもの場所から動くことはできないけれど、凧を空に放ち、ゆうゆうと飛ばすことはできそうだ。『物の名も蛸や故郷のいかのぼり』1675年に、京都の俳人伊藤信徳(いとうしんとく)が江戸で詠んだ俳句である。京都で「いかのぼり」といっていた凧あげが江戸では「たこ」と称されていることに反応して詠まれたもので、同じものでも土地が変わると名前も変わることを指摘しているという。庶民の楽しみとして普及していた凧あげを禁じた幕府の「いかのぼり禁止令」をかわすために、同じものなのに「いか」じゃなく「たこ」と言い換えた庶民のユーモアまじりの負けん気、その皮肉やその小気味良さ、楽しさや面白さを諦めない人の業を詠んだ一句なのではないかと私は考えた。俳人に描写された江戸の凧揚げ、凧あげに興じているであろう人々は、いまも創ることを辞めない、そのための移動(=変容)をあきらめないアーティストと重なってくる。たとえ2年目を迎えたパンデミックの渦中に私たちがいても、AIR(アーティスト・イン・レジデンスと”大気”をかけている)の中の揚力とバランスと札幌・北海道という複数の民族のヒストリーが交差する複雑な風のメカニズムが加わって、ふわりと凧があがるとしたらさぞかし楽しいに違いないとわくわくする。だれもが抱えているパンデミック疲れを癒したいという気分でもある。また新しい別の制約に直面するかもしれないけど、それこそクリエイティビティ、AIRの醍醐味ではないか。それらすべて、どうにかして凧あげをしようとする人々、ゆうゆうと空を泳ぐ凧の風景を想起させる。これらはアーティストからの作品、プロジェクト提案、プログラムのコーディネートの方向性、イメージとして、いま私が描いているものだ。どのような状況であれ創造的活動の現場、AIRは自由だから。

*札幌市は、2020年度に引き続き、2021年も海外拠点のアーティストによる日本への入国を推奨しないことにしました。つきましては、招聘アーティストと天神山はリモートでコミュニケーションをとり、オンライン・レジデンシーの試みによりアーティストのプロジェクトを実行します。

*同時期滞在日本AIRプログラムに応募するアーティストは、新型コロナウイルス感染拡大予防対策状況を考慮して、ご自身の活動拠点から北海道・札幌までの移動計画を作成してください。プログラム開催時期の感染状況によっては、北海道内、本州から北海道への移動ができない可能性があります。その場合は、招聘アーティストの滞在や制作場所の柔軟な変更が起こることをご了承ください。

*「作品・プロジェクト提案」作成の際に必要なリサーチは、応募者自身で行ってください。

 

◼︎募集人数

主に美術分野で活動するアーティスト2(名/組)

 

◼︎プログラム・スケジュール

1)応募期間:20210420日(火)〜0625日(金)

2)公募結果発表予定:20210711日(日)

3)プログラム期間:20210831日(火)〜1029日(金)

4)プログラム成果報告イベント開催予定:20211016日(土)〜1024日(日)

*アーティストは、札幌市内・道内でのリサーチ、さらにほかのアーティストやディレクター、コーディネーター、札幌の人々との対話(ノイズ)を経験し、プログラムの最後に、滞在成果報告会を企画し開催する。滞在成果報告会の形式(展示、トーク、ワークショップ、出版、メディア構築、パフォーマティブプレゼンテーションなど)は、アーティストの作品・プロジェクト、活動内容によって的確なフォーマットを選び実施する

 

◼︎応募条件

1)日本の国籍を有し日本を拠点に活動していること(日本在住の外国人芸術家、海外在住の日本人芸術家は対象になりません)

2)日本語または、英語でスタッフ、同時期滞在中のほかのアーティスト、地域・コミュニティとのコミュニケーションがとれること

3)60日間のプログラム全期間において、自身の活動に集中でき考察・リサーチ活動など制作活動が行えること

4)同時期滞在日本AIRプログラム企画意図に沿った活動内容を提案し、滞在期間中は自律的な活動を行えること

5)これまでに日本国内のAIR事業に招聘された経験がないことが望ましい

6)性別年齢不問、ただし学生の場合は大学院生以上

 

◼︎応募に際し提出する内容

*全てオンラインフォームを利用して送付すること

1)個人情報

2)これまでの活動記録(CV及びポートフォリオ、ウエブサイトURL)

3)北海道、札幌を自分の移動の着地点/一時的な滞在地としたリサーチ、作品やプロジェクトのテーマやプランをプロポーザルにまとめる

・プロポーザル概要とプログラム参加にあたってのモチベーション

・活動の記録及び共有のために試す、用いる手法

・成果報告の形式・方向性・イメージ

 

◼︎招聘アーティストへ提供する内容

1)さっぽろ天神山アートスタジオからの招聘状

2)プログラム期間中における、通訳・翻訳を含むコーディネート

3)国内移動経費(傷害保険、PCR検査費など含む)実費上限100,000円*

4)プログラム期間の宿泊・制作スタジオ経費(国内移動道内拠点)実費上限150,000円*

5)プログラム期間の滞在費 300,000円

6)創作活動費(交通費や材料費)100,000

7)滞在成果報告イベントのための企画・開催経費 実費上限100,000円*

8)選考委員からの対話型コーチング

9)作品・プロジェクトの実現のためのテクニカルアシスタント

10)自身の心身の健康管理、新型コロナウィルス感染拡大予防のための専門的なアドバイス

*印の経費はさっぽろ天神山アートスタジオが支出管理します。

 

◼︎活動場所

招聘されるアーティストの活動拠点地域

オンライン上:さっぽろ天神山アートスタジオ、及び北海道内のほかの地域にあるアートスペース、AIR拠点

 

◼︎招聘アーティストの義務

1)プログラム期間中の事業及び施設広報への協力

2)プログラム期間中の記録・アーカイブ活動への協力

3)プログラム期間中にアーティスト・トークなど地域・コミュニティとの交流プログラムに参加

4)プログラム期間の最終段階で活動成果報告(展覧会などの発表)を実施

5)自身の心身の健康管理を行い、国内移動、道内移動の際はスタッフと状況を相談し適切な配慮を行うなど、新型コロナウィルス感染拡大予防に最大限つとめること

6)そのほか、さっぽろ天神山アートスタジオ及び道内のAIR拠点などのレギュレーションに従って滞在制作・生活を行うこと

 

◼︎注意事項

) 支給する補助金額を超えて係る経費は招聘者自身の負担となります。

) グループなど複数名での応募は可能です。ただし、支給される補助金は1名/組分に限ります。

 

【応募について】

◼応募方法

オンラインフォームで情報入力を行う。

その活動資料(ポートフォリオなど過去の活動資料)などいくつかのデータのアップロードをオンラインフォームから要求されます。スマホ、タブレットでのアップロードができない場合があります。

応募データを送信後、オンラインフォームappから自動的に確認メールが届きます。この自動返信メールが応募者へ届かない場合は、公募担当者までお問い合わせください。

応募フォーム(オンライン入力*PC推奨)

 

注意点

  • 締切を過ぎた書類はいかなる理由でも受けつけられません。
  • 提出書類及び資料に不備があったものは選考対象外となる場合があります。
  • 提出いただいたデータの返却はいたしません。
  • 応募締切:2021年06月25(金) 日本時間23:59まで

 

◼︎選考・通知について

さっぽろ天神山アートスタジオ公募選考委員会で、応募書類を審査・決定します。審査のプロセスでオンラインによるインタビューが実施される場合があります。

審査結果は、2021年7月11日(日)までに応募者全員へ通知する予定です。

 

◼︎公募選考委員会について

2021年度の国際公募AIRプログラムは国際的に活躍するアーティスト2名とさっぽろ天神山アートスタジオAIRディレクター、本プログラムで協働する道内のAIR団体による選考会で審査し、招聘者2名/組を決定します。

 

◼︎問い合わせ先

さっぽろ天神山アートスタジオ 国際公募AIRプログラム担当

TEL:011-820-2140 (火~日)10:00-20:00)

Eメール:application@tenjinyamastudio.jp

 

◼︎事業クレジット

事業名:人間万事塞翁が馬/Every cloud has a silver lining

主催:一般社団法人AISプランニング/さっぽろ天神山アートスタジオ

支援:文化庁(令和3年度 アーティスト・イン・レジデンス活動支援を通じた国際文化交流促進事業)

企画:小田井真美(さっぽろ天神山アートスタジオAIRディレクター、アートとリサーチセンター)